株式投資と投資信託
株式投資って?
株式投資は、投資家が会社の株を買うことでお金を企業に出資(お金を拠出)する投資です。企業はそのお金で事業を行って利益を出し、投資家に「配当」という形で利益の一部を還元します。
また、株式の価格すなわち株価は上下しやすいので、「安く買って高く売る」方法でも利益を出すことができます。配当金を待つだけでなく、自力で売買することでもお金を増やせるのです。
株式投資とはその会社の価値が上がることを期待して企業にお金を拠出すること。
株式投資のメリット
株式投資の最大のメリットは「値上がり益(キャピタルゲイン)」です。株価が安いときに購入し、値上がりしたあとに売却すればその差額が利益になります。会社が利益を出したときに株主にその利益を分配する「配当金(インカムゲイン)」や、会社によっては株主に自社製品や優待券などを提供する「株主優待」もあり、株式投資ならではの楽しみのひとつです。
但し欧米諸国では株主優待は実質的な配当金の目減りであり、株主優待を出すくらいなら配当金を上乗せすべきという考え方が一般的であり、株主優待を行っている企業は少数です。
また株主総会に出席して議決権を行使することもできます。
配当金(インカムゲイン)=株を持ち続けることで得られる証券口座等に入金されるお金
株式投資のデメリット
株式の取引単位は単元株制度を採用しているので、取引の最小単位は100株などが多いです。例えば2022年11月1日時点のみずほフィナンシャルグループの株価の終値が1600円なので、この株を取引きの最小単位である100株=1単元購入するとなると、16万円必要となりますので投資額が大きくなります。
また株式は常に値上がりするとは限りません。値下がり等の価格変動のリスクは投資家である出資者が負います。
売りたい人と買いたい人の価格が合致して取引が成立しますので、想定どおりに取引が成立しない場合もあります。
自分の欲しい株数分の「売り」がないということもあります。みんなが知っているような企業の株式であれば、売買が活発なので気にする必要はありません。しかし、あまり知られていない株式では、「買えない…」「売れない…」ということも。これを流動性リスクと言います。
まとめ
株式投資のメリット | 株式投資のデメリット |
値上がり益が期待できる | 1株では買えないので取得金額が大きくなる |
配当があれば配当金がもらえる | 値下がり等の価格変動リスクを負う |
日本株の場合、株主優待 を採用している企業が多い | 想定通りに売買が成立しない場合がある |
等 | 流動性リスクがある。 等 |
投資信託って?
投資信託は、多数の投資家から集めたお金をまとめ、運用会社が株式や債券などで運用する商品です。具体的な銘柄選びなど難しいことは投資のプロに任せることができるため、難易度が低い投資方法として紹介されることが多いです。
投資信託の主な利益は、長期で保有して得られる値上がり益か、値上がり益による分配金です。
投資信託は資本主義経済の右肩上がりを信じ、時間を味方につける投資。
運用はプロに任せる
投資信託のメリット
投資信託は、株式投資と異なり、直接株式を所有するわけではないので、少額の資金から運用を始められる投資商品です。
販売会社(金融機関)や条件によって申込金の最低金額は異なりますが、1万円程度あれば投資信託は始めることができます。
投資信託は仕組みからわかるように、運用会社(投資会社)という運用のプロが存在します。
もちろん各種手数料を支払わないといけませんが、例えば投資信託を保有している間に係る、信託報酬は非常に低コスト(ファンドにより異なりますが、毎日更新される資産総額に対して年0.1%~2.0%程度)になっています。
例:ある日の評価額が100万円だとして信託報酬(投資会社への報酬)が年利1%の場合
100万円×0.01=1万円
日割り計算なので365日で割って1万円÷365=1日あたり約27円になります。
これに消費税等も加算されます。
(土日祝関係なくこの計算式に基づいて引かれます)
投資信託は、仕組みでご説明したように販売・運用・管理の3つのプロで構成されています。
そのため販売会社と運用会社が破綻としても、管理のプロである受託会社(信託銀行)が財産を管理しているので投資家に損失が及ぶことはありません。
また受託会社(信託銀行)は投資信託に関連する財産を、銀行自身の財産とは別に管理することが法律で義務づけられているので、破綻しても財産は守られます。
投資信託のメリットまとめ
投資信託のメリット | |
資金 | 少額投資が可能 |
運用 | 運用会社(運用のプロ)が行うので安心 |
経営破綻 | 販売・運用・管理のいずれの会社が破綻しても資産は保護される |
投資信託のデメリット
投資のリスクは、「値動きの大きさ」にあります。市場の動向はさまざまな要因によって変わるため、投資信託の基準価額もそれらの影響を受けます。運用成績次第で利益が得られることもあれば、購入したときよりも値下がりしてマイナスになる「元本割れ」の可能性もあることを念頭に置いておきましょう。
投資信託の運用には複数の機関がかかわるため、購入時手数料、信託報酬、などの手数料を負担しなければいけません。また、投資信託で得た利益は課税対象のため税金の取り扱いについても知っておきましょう。
NISAやiDeCoを利用すればその枠内においては非課税とすることが可能です。
投資信託は複数の銘柄を組み入れているため、個々の時価評価をもとに、1日に1つの基準価額が算出、公表されるため、株式のようにタイムリーな売買取引はできません。
投資信託デメリットまとめ
投資信託のデメリット | |
価格変動リスク | 元本割れの可能性がある。 |
手数料 | 購入時手数料、信託報酬、など有。利益にも課税される |
タイムリーな取引 | できない |
株式と投資信託を比較すると
投資信託 | 株式 | |
運用者 | プロに任せる | 自分で運用 |
手数料 | 購入時手数料 信託報酬 | 売買時 |
非課税制度 | iDeCo NISA | NISA |
利益 | 分配金、売却益 | 売却益、配当金、 株主優待 |
倒産時のリスク | 運用額にほとんど影響ない | ほぼ無価値 |
売買方法 | 証券会社、銀行、 保険会社で購入可能 ※時間・曜日は各金融機関で異なります。 | 証券会社で 平日9時~15時まで |